■ TIPS

[分解TIPS]
外したネジを無くさないように管理するのは当然ですが、どのネジがどの穴のものかまで区別する必要はありません。
無論形状の違うネジであれば分けなくてはいけませんが、種類と大きさの同じネジであればそこまで神経質になることもないでしょう。
普通、組み立て性と価格の両面からできるだけ同じネジを使いますから。
逆に言うとこれらの特性を犠牲にしてでも「高級感を出すために隠す」「小型化する」等の特殊な必要性がある用途、ノートPCなどは穴毎に違ったネジを使うこともあります。
ともかく、今回のゼロテックに関する限りモールド固定のネジは一括で大丈夫です。
内部で基板固定用のネジはまた別のものを使っていますが、色も大きさも全く違いますから混ざっても害は無いでしょう。



[組み付けTIPS]
今回使用しているネジは通称(セルフ)タッピングビスといわれるものです。
これは小さ目の穴径の下穴にネジ自体が溝を切りながら(これをタッピングと言います)進んでいく性質のものです。
常時面圧が得られますし、面倒な雌ネジ切りの必要が無いため多用されます。
弱点はその特性により、新たな溝を切ってしまうことです。
一回目に止めたネジ溝(条と言います)の入口と違うところから切り始めてしまうと新しく条を刻んでしまい(雌ネジ側は多条ネジになってしまう)著しく強度が落ちます。
あくまでも個人的な対策として、私は下記の方法を実践しています。
(なんか普通にみんなやってるみたい・・・)
ネジを締め付ける前に、まず わずかな力で押し当てながら締め付けと逆方向にゆっくり回していきます。
すると既存の溝の入口のところでコトッとネジが落ち込む感覚があります。
これはもう本当に体で覚えるしかありませんが、そこから締め付けを開始することでネジ穴を破損する危険を回避できます。



※1:信号線のプルアップについて
PS(2)のPADインタフェースは基本的にバスです。それが何かというとPAD自体はHという信号を出しません。
オープンコレクタ(ドレイン?)構成になっており、Lを出す(=GNDに落とす)かHにしてもらう(オープンにする)ことでH/Lが決まります。
つまり、H→Lの下りエッジはPADが行いますが、L→Hののぼりエッジはプルアップ抵抗で引っ張り上げることになります。
この抵抗値が大きいと電流が流れにくいためなかなか電圧が上がらない、つまりフィルタとして働いてしまい上りエッジが鈍ります。
具体的にはL→H→Lという信号をPADからPSに送りたい時、最初のLはすぐに出ますが、PADが次のHを出そうとしてHiZにしても抵抗が大きいと電位が上がらず、PS側の閾値を超えないうちに次のLを出してしまい、PS側ではLLLに見えてしまいます。
ここの値は藤田資料によれば1kΩになっています。
なんとなくPU抵抗で1kというのが怖かったので2.2kを入れていますが、オシロで見ると若干(この速度での通信では影響無い範囲で)鈍っています。
抵抗値はLを出すときのポートに引き込める電流とLの電位のMax値と電源電圧から最低値がだいたい求められます。
1kというのは経験上、流しすぎな感じがあります。
この辺りはレギュレータの供給能力の不足もあるかもしれません。



※2:EEPROMの容量について
贅沢に256kを用意しましたが、現時点でキーコンフィグやロック領域、デッド領域などの値をユーザ設定可能にしていませんので4kのやつで充分なはずです。



※3:LED関連は無くてもOK
LEDは単なるインジケータであり、動作には全く影響ありません。
LED1はDS2ネイティブモード動作時に点灯
LED2は可変倍率モード時に点灯
LED3はエラー発生時に点灯
これらをすっぱり諦めると製作は非常に楽になります。
(必要部材がコネクタ類とE2PROMだけになる)



※4:PSのコネクタの入手性について
非常に入手難です。
延長ケーブルを切断するのが常道のようですがそれすらも品薄。
旧PSを解体してコネクタ周辺を取り出すのが確実で、質の良いコネクタが手に入りますが取り回しは良くありません。
この点はどうしようもなく、個々人の努力です。



※5:LEDの電流制限について[TIPS]
豆電球からLEDにステップアップする時に初心者がつまずく点が、順方向電圧(障壁電圧)と電流制限だと思います。
まず前者から。
LEDは種類(主に色)によって必要な電圧が違います。LEDのアノード・カソード間にかける電圧がこの値を超えないとLEDには電流が流れ始めません。流れ始めなければ電流制限もクソもありません。全く動作しません。
最も普及している赤色であれば1.7V程度、緑だと2.2Vくらいですね。
つまり乾電池の1.5Vでは電流が流れ始めませんので全く点きません。
最近の超高輝度タイプではこのVfが3.6Vなんてのもあります。もはや3V系の電源ではドライブできません。

次に電流。
豆電球は実はそれ自体が抵抗でもあるので、その抵抗値で電流が制限されます。
(義務教育で乾電池と豆電球を使って教えるのがその後の理解を妨げていると思います)
抵抗成分をR、加える電圧をVとすれば、中学校で習う通り、電流I=V/Rです。
一方、LEDは抵抗成分を持ちませんので分母のRが0に限りなく近くなるつまりIが無限大に近づく。
簡単に言えばショートしてしまいます。
たぶん、LEDが壊れて終わりでしょうけどね。
LEDに流せる電流も種類によりますが10mA前後と考えておけば大丈夫です。
今はLEDもいろいろあり、大電流を流してめちゃくちゃ照らす奴や、小電流でも高輝度な奴など、一言でこのくらいとは言い難いんですが・・・
普及品で言えば緑は20mAくらい流しても暗いですが、赤は照明に使うのでもない限り5mAも流せば充分に点灯が確認できます。
調子に乗って流しすぎるとまぶしくて目を逸らせてしまうことになります。
で、じゃぁ5V電源と順方向電圧1.7VのLEDがあり、これに10mA流したい場合はどう考えるかというと、5VからLEDが食う電圧降下の1.7Vを引いた3.3V、これが回路にかかる電圧になりますんで、先ほどのI=V/Rを変形してR=V/I
つまり電流値で除算してやればよろしい。
(5.0 - 1.7)/ 0.01 = 330
なので330Ωを入れとけば良いのです。